触れること、寄り添うことについて思索を深める本
私が身体マニアだからでしょうか。
いつも身体表現や外界と直接接している皮膚の働きについてもおおいに興味があるのです。
心と身体の探求ブロガーの梨理(りり)です。
本日ご紹介する本で、皮膚の謎への好奇心が満たされました。
身体と心の密接な関係も。
それでは早速、中身を見ていきましょう。
「人は皮膚から癒やされる」 山口創 著
個人的エッセンス 15
- 愛情を持って触れると互いの脳で絆ホルモン(オキシトシン)が分泌される
リラックスし、ストレスが癒やされ、深い絆を築く - 直接触れなくても寄り添うだけで互いの皮膚が感応する
親しい人と一緒にいるだけで周囲の見え方や苦痛の感じ方も変わる - 皮膚を温めると人に温かくなるのが実験で検証されている
- 皮膚にはC触覚繊維という触覚の受容器があり、感情と密接に関わっている
- 社会的動物である人間は、生きるためのエネルギーを使う方法として助け合う
- ミケランジェロ現象:人の脳は親しい他者を自分の一部のように感じる
(パートナーの目標や理想を把握して相手が近づけるための行動を引き出す関係) - ひとりで問題解決しようとすることは車のアクセルとブレーキを同時に踏むようなもの
- 日本家屋の境界は区切る場所ではなく、自然と家とが出会う場、中間地帯が縁側
- 「肌」は内面が溢れ出てくることを前提とした身体の表面にあり、外部との関係性も表現する
- 日本人は「個人主義」「集団主義」のどちらでもなく「間人主義」の価値観
- 風合いを表現する日本語は約150、肌触りを大切にしてきた
- おんぶは親の視線に支配されずに自由に動くことができ、接触の安心感がある
- 癒しとは、何らかの原因で孤立してしまった人を仲間として迎えいれること
そのための音楽、劇、踊りを交えて霊的な繋がりを再構築すること
(「覚醒のネットワーク」より抜粋) - 笑うこと、体験を語ること、書くことで境界を拓く(自己開示は心身に良い効果)
- マッサージは施術者と受け手の間に身体的共振が起こる
受け手の境界を拓き深い部分で身体を強振させ、結果として心の変化を起こす
読み終えて
パーソナルスペース、個室が当たり前の社会ですが、もともと日本人の境界感覚は曖昧であったと知りました。
これは世界的に見てレアケースな文化なのですね。
- 「あわい」は「会う・合う」が語源。
分け隔てる境界ではなく共有が前提であるということ。 - 「育む」は羽をくくむ(含む)という意。
親鳥がひなを羽で包んで温める様子から作られた。
日本語の語源から日本人らしさにまで広がる世界、ルーツを考える上でも大変興味深い本でした。
身体マニアな方だけではなく、日本人論、日本語の語源が好きな方にもおすすめの本です。
関連データ
★本日ご紹介した本
★あわせて読みたい本
同じ著者によるあわせて読みたい本です。
「皮膚という『脳』」
出典:Amazon
副題:心をあやつる神秘の機能
著者:山口創
出版社:東京書籍
出版年:2010年
分類:心理学 心理各論
著者:山口創
出版社:東京書籍
出版年:2010年
分類:心理学 心理各論
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