宅配はインフラのひとつ「仁義なき宅配ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン」を読む
宅配便がストップすると、宅配便がインフラのひとつになっていることを実感します。
今回ご紹介の本は、前回ご紹介した本から関連し、もっと宅配業界について知りたくなり読んだ本です。
海外在住の方に直接お聴きしましたが、日本の宅配便の日時指定の緻密さに驚くそうです。
当たり前に享受している便利さの裏には、どんな実態があるのでしょうか。
著者は、物流の業界誌ライター・編集長の経験を経てフリーライターとなった人物です。
その知識を持って宅配業界の今を潜入するのですから、面白くない訳がありません。
これぞ忖度なし、フリーライターの渾身のルポルタージュです。
「仁義なき宅配ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン」横田 増生 著
著者:横田 増生
出版社: 小学館
出版年:2015年9月
分類: 陸運・自動車運送
個人的エッセンス 3
- 経営者の語る成功談には、往々にして書かれない裏面があるものである。
- 規制緩和という概念を武器に、民意を味方につけて官僚と戦った小倉の嗅覚の鋭さ。
- 現場の作業レベルが低いのは自分の経験で知っている。
他の業者の作業現場にしても同じようなもの。
届けたいものがあったら自分で運転して届ける(勤務20年の元管理職)
読み終えて
企業風土・歴史的背景部分は前提知識のない者にも理解しやすい内容でした。
その上に著者の身体を張った潜入取材も。
・佐川急便の下請け業者の軽4トラックに横ノリ体験取材。
・日本郵便の基幹センターの見学取材。
・ヤマトセールスドライバーへの取材。
・アマゾンの荷物が多い羽田クロノゲートアルバイト体験。
ある意味、そこには企業の差というより業界特有の重労働。
過酷な現場の実態が明らかになっていきます。
時間指定サービスと再配達作業がドライバーさんにどれだけの負荷をかけているのか、
考えさせられました。
わたしたちが当たり前の様に便利に使わせてもらっている宅配便。
その実態はどの企業も綱渡りの様な状態だったのです。
サービスを享受している私たちにできること。
・必要以上に時間指定を使わない。
・受け取りをお待たせしない。
・笑顔でねぎらいの言葉をかける。
他にもあるかもしれませんよね。
これからも宅配便サービスにお世話になりたいと思っている方、
必読の書です。
関連データ
1.今回ご紹介した本です。
著者:横田 増生
出版社: 小学館
出版年:2015年9月
分類: 陸運・自動車運送
2.こちらはヤマト「宅急便の父」の人間に焦点をあてたもの。
あわせてお読みいただきたい本です。
「小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの」
著者:森 健
出版社:小学館
出版年:2016年3月
分類:個人伝記
私のレビュー記事はこちらです。
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