「少女小説をジェンダーから読み返す」で過去の常識を探ってみる
本日ご紹介する本は、元文学少女には懐かしい本ですね。
あの頃夢中になった少女小説を大人になった今の目から読み返してみませんか?
素直な子どもの頃に気づかなかった発見があると思いますよ。
それでは早速、中身を見ていきましょう。
「少女小説をジェンダーから読み返す」木村民子 著
著者:木村民子
副題:『若草物語』『秘密の花園』『赤毛のアン』が伝えたかったこと
出版社:亜紀書房
出版年:2023年
分類:児童文学研究
個人的エッセンス 5
- 少女小説:少女を読者として想定して書かれた作品(by 管聡子「少女小説ワンダーランド」より)
児童文学の1ジャンル。今日的にはライトノベル、ジュニア小説も含まれる - 「若草物語」にみる「いい子」でいることを求められた少女たちの制約
世間の求めに応じて主人公の結婚を描く - 庭をもっているひとには未来があります。
未来があるかぎり、ひとは本当の意味で生きているのです(by バーネット「庭にて」より) - レディ(淑女)とは、ある種の古風な威厳がそれなりに備わっていると英国人は考えていたのです(by バーネット「自伝」より)
- アンの矛盾した性格と物語の場によって相反するジェンダー意識の表出。
モンゴメリ自身の混沌、二面性によるものではないか?
読み終えて
女性の職業がメイドとお針子ぐらいしかなかった時代に、教師が、
そしてペン1本で稼ぐ作家という職業が出てきた頃のお話です。
児童文学の全集ものには必ずありましたね。
- 「若草物語」ルイザ・メイ・オルコット作
- 「小公子」「小公女」「秘密の花園」フランシス・ホジソン・バーネット作
- 「赤毛のアン」ルーシー・モード・モンゴメリ作
ペン1本で家族を養った、少女小説の作者たちの背景からジェンダー意識を考える本です。
時代の要請と自分らしく生きたいと思うせめぎ合いが作品にも表れています。
少女の頃に読んだ本で、読み手側の内なる常識も形成されていたのだと感じました。
改めて読むと興味深いです。
今回のエッセンスは評論の要約的なエッセンスではありません。
いつも以上に個人的・忘備録的なエッセンスですね。
実際に読んでいただいて、ご自身の思考のルーツを振り返るのも面白いと思いますよ。
巻末の註、年表、参考図書の豊富さに、さらなる読書の興味を誘われる本です。
関連データ
★本日ご紹介した本
★次に読みたい本
この本の中で紹介されていた本です。
上記の少女小説をどう解釈するかは人それぞれ。
齋藤美奈子さんの読み解きも面白いです。
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