本の手触りが愛おしい「小さな声、光る棚」を読む

   

新刊書店、古書店、図書館。

本に触れる場所はどこでも大好きです。

今日ご紹介するのは、新刊書店「Title」の店主さんのエッセイ。

大きなブックチェーンを独立して本屋を始めたいきさつは前作に。
今作はそれからの日々、2021年の変化した日常も語られています。

本好きなら本屋さんの裏側は気になりますよね。

それでは早速、中身を見ていきましょう。

「小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常」辻山良雄 著

「小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常」

著者:辻山良雄 
出版社:幻冬舎

出版年:2020年
分類:図書・書誌学

個人的エッセンス 10

  1. 個人の本屋を始めた理由は、自己責任で完結する継続的な場所を作りたかったから
  2. 店でモノを買う行為には、その店の姿勢に対して票を投じているという意味が含まれる
  3. 商いのスケールダウンをしながら個人が責任ある仕事をすることが幸福へつながる(By「小商いのすすめ」平川克己)
  4. 本体のその人でいられない社会は息苦しい
    イノベーションと引き換えに感情や人間らしさを「システム」に差し出しているのかもしれない
  5. 新刊書店はいまの幅広さ、古書店は奥深さ
  6. 用事で埋めつくされた時間では意識は常に先にあり、いまここにあるものの豊かさを、あらためて眺めてみるということはない
  7. たとえ仕事はしていない状態でも、生きる「労働」は激しく行っていることがありえる(By「考える教室 大人のための哲学入門 若松英輔)
  8. 一人一人が考えて行動するためには、その人に戻るための本が必要である。
  9. 人間、時間をかけたことしか身につかない。
    それが人生の役に立つかは生きてみないとわからない。
  10. 誰かに面と向かって会いたくなるのは、体がそれを切実に求めているからだろう。

読み終えて

街の小さな本屋さんは、個人のフィルターを通して棚づくりをしています。

決して人気のベストセラーばかりではありません。
いつか必要になるであろう本もそっと置いてあります。

本屋さんの想いは業界は違えど個人事業者共通の心意気です。

そして消費者としての私たち。
どのお店のものを選ぶかで、お店の姿勢を応援していることになるのでしょう。

 

著者は書店経営と並行して書評やイベントの仕事もされているそうです。

途中で引用されている本も巻末のリストも次に読む本への誘いになっています。

紙の本の手触りが好きな人には特におすすめしたい本です。

関連データ

★本日ご紹介した本

 

★この本の前作

大きなブックチェーンを独立して本屋を始めるまで。
本好きなら読んで損はありません。

 

 

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