月の始めを「ついたち」と呼ぶ理由
どんなに暑くても季節は秋へと進んでいます。
8月のカレンダーをめくって9月になったら、今年も残すところ4カ月。
今年の目標を振り返りたくなる頃ですね。
9月1日は二百十日(にひゃくとうか)
立春から数えて210日目を二百十日(にひゃくとうか)と呼びます。
9月1日頃のことです。
(2020年は8月31日に当ります)
「二百十日(にひゃくとうか)」から10日後の「二百十日(にひゃくはつか)」という言葉もあります。
この頃は農家さんにとっては台風に要注意の「厄日」。
気のもめる季節なのです。
- 二百十日(にひゃくとうか)
- 二百十日(にひゃくはつか)
- 厄日
この3つとも俳句の季語になっています。
まだまだ稲穂は花盛り。
もう少し頑張ってほしいと思う気持ちの感じさせる季語ですね。
9月1日に台風が来ることは実際には少ないそうです。
しかし昨今の気象は予想もつきません。
梅雨が長くて野菜の収穫が厳しかったり・・・。
どんなにITC化が進んでも農作物は天候に左右されるもの。
何事もなく稲刈りの日を迎えられますように。
1日を「ついたち」と呼ぶ理由
さて、月の始めの1日には「ついたち」という特別な呼び名があります。
これにはどんな意味がこめられているのでしょうか?
明治時代に太陽暦になるまで、日本では月の満ち欠けと太陽の動きを合わせた旧暦を採用していました。
「ついたち」の言葉の語源は「月が立つ」。
「つきたち(月立ち)」⇒「ついたち」と変化した呼び名です。
新月の翌日には新しい月が始まります。
それが暦の月の初日と一致していたのですね。
”今日から新しい月が始まる最初の日。
さあ、仕切り直して新たに頑張るぞ!”
昔の人はそんな風に、月の満ち欠けに人間のリズムを合わせていたのでしょう。
また、古典文学などで「つごもり」という言葉を聞いたことはありませんか?
これは「ついたち」の前日のこと。
満月から月が欠けてゆき、お月さまが完全に見えなくなってしまうので「月が籠る」。
新月とは月の最終日だったのです。
「つきごもり(月籠り)」⇒「つごもり」と呼ばれるようになりました。
ちなみに「おおつごもり」とはその年の最終日、「大晦日」のことです。
月の初日:「つきたち(月立ち)」⇒「ついたち」 月が満ちていく初日
月の最終日:「つきごもり(月籠り)」⇒「つごもり」 新月
年の最終日:「おおつごもり」
現在は太陽暦(西暦)ですので、月の満ち欠けとは暦は一致していません。
こうして見ていくと
旧暦とは生活の実感がある暦だったのだと思いませんか?
昔の人が親しんでいた歳時記や二十四節気・七十二候について。
当サイト「ふんわりシンプルライフ講座」では、季節の暮らしと文学トリビアを
徒然に取り上げております。
またお立寄りくださいね。
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