「おもう」の漢字に込められた心|言葉と漢字の選択
私たちは普段モノを書く時、無意識に言葉や漢字を選んでいます。
その選択理由は、常用漢字であったり長年の勘であったりと様々ですよね。
文章サポートライター梨理です。
この気持ちにピッタリな言葉は何だろうと迷うことはありませんか?
別に文学者でなくても、一人前の社会人として適切な言葉を使いたいもの。
そんな言葉と漢字の選択を探ります。
今回取り上げる漢字は「おもう」(思う・想う)です。
「おもう」
「おもう」という言葉はとても身近にありますね。
一般的には「思う」の漢字が使われています。
この漢字を習うのは小学校2年生です。
小学校3年生になると「想」の漢字が出てきます。
その時に混乱しなかったのでしょうか?
訓読み「おもう」との使い分けを習った記憶がないんですよね。
実際に作文で使っていたのは「思う」一辺倒でした。
「想う」を使い分けし始めたのは中学生ぐらいになってから。
本を読む中で取り入れた肌感覚の様なものでしたね。
微妙なニュアンスを伝えたくて、使い分けし始めた様に記憶しています。
今回改めて、「思う」と「想う」の違いを調べてみました。
1.思う
常用漢字。
汎用性がありますね。
手元の辞典で「思う」の意味は4つ。
- 考える
- 心配する
- 恋する
- 願う
2.想う
「想」の漢字は、音読み「ソウ」「ソ」としての常用漢字。
熟語で「想」を見て見ましょう。
「想像」「感想」「愛想(アイソ)」で使われています。
感情を伴って思う時に「想う」という漢字を使いたくなるのが見えてきました。
「想」に「おもう」という訓読みは常用漢字表にはありません(2010年版)
小学校で「想う」と習った記憶がないことが納得できました。
これだけ誰もが使っている言葉なのに意外ですよね。
文学者が詩や小説などで使っていたものが、次第に一般化してきたようです。
常用漢字を使う新聞紙面で「想う」の表記を見かけない理由です。
「おもい」の漢字選択のまとめ
- 「思い」は物事について考えを持つこと
- 「想い」は物事に対して感情を伴って考えを持つこと
一般的なものには「思い」を使い、イメージが湧いている時は「想い」を使うとベストです。
「想い」という漢字は常用漢字ではありません。
結論です。
ブログなど自由に執筆できる媒体では、感情を伴っているか否かで漢字を選択できます。
客観的な文書や公的文書などでは「思い」に統一していた方が良さそうです。
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