「ませ」と「まし」の違い｜ビジネスメールもＯＫ？

私たちは普段モノを書く時、無意識に言葉や漢字を選んでいます。

選択理由は常用漢字であったり長年の勘であったりと様々ですよね。

文章サポートライター梨理です。

 

この気持ちにピッタリな言葉は何だろうと迷うことはありませんか？

別に文学者でなくても、一人前の社会人として適切な言葉を使いたいもの。

 

今回取り上げるのは、ビジネスメールでもよく使われている語尾です。

早速「ませ」と「まし」の語源を探っていきましょう。

「ませ」の語源は丁寧語の命令形

「ませ」の原形は「ます」です。

その意味は丁寧な気持ちを伝えるもの。

「ます」または「ませ」と変化すると丁寧な命令形になります。

 

文法的に「ませ」という言葉は使って問題ありません。

丁寧語「ください」+助動詞「ませ」で文法的にはOK!

例文：くださいませ・お越しくださいませ

１．「ませ」を語尾につける

「ませ」を使うのは話し言葉の場面が自然です。

例文：いらっしゃいませ

また、対外的なビジネス文書にも使うことに問題はありません。

何かお願い事項の時に「～してください」と言い切るよりも
「ませ」を語尾につけることで柔らかさが生まれます。

特に女性向けビジネスメールで使われていますね。

男性が使っても間違いではないのですが、違和感を持たれることもあります。
親しい仲にしていた方が無難など思われます。

社内文書は伝達重視の側面もあるのでしょう。
「ませ」をはあまり見かけることはないですね。

例外：いらっしゃいませ（男女共通）

２．「ませ」ではなく「まし」を使う時

「ませ」と同じ使われ方をする助動詞「まし」があります。
数としては少ないものの、現在でも時々見かけますよね。

語尾につけるとしたら「まし」より「ませ」が一般的です。

「ませ」と「まし」の違いとは何でしょうか？

「まし」の方がちょっと古めかしいくだけた表現です。

ビジネス文書ではまず使われません。
話し言葉では使われることがあります。

例文：いらっしゃいまし（男女共通）

３．「ください」の言い切りを避けたい時

 

「くださいませ」は命令形を柔らけるクッションとして有効です。

相手への尊敬をこめつつ、ストレートに依頼したい内容を伝えることができます。

しかし、公的な文書では見かけないこの語尾。
相手との距離感がわからない時に「ませ」は多様禁物です。

言葉への感覚には個人差があります。
「ませ」は馴れ馴れしいと思われるかもしれません。

そんな時に「～してください」と言い切るのも芸がないもの。
どうしたらいいでしょうか？

ふたつ方法があります。

ひとつは「〇〇していただけませんか？」と疑問形で柔らかくお願いすること。
ただし、必ずしていただけるかどうかはわかりません。

そこでもうひとつ。

「ください」部分を「お願い致します」という文言に変えること。
受け取った方も依頼されていることがわかります。

これは、社内上層部宛文書配信時には必須表現ですね。

参考になれば嬉しいです。

「ませ」と「まし」の違いと使い方まとめ

今回は丁寧な命令語の「ませ」と「まし」について、ご紹介致しました。

硬いビジネス文書ではあまりみかけません。
ビジネスメールなどでは一般的に使われています。

「ませ」と「まし」は丁寧な敬語の命令形です。
補助として語尾につけることで柔らかになります。

例文：ご自愛くださいませ

メールで使うことで親しみも表現できます。
お相手との距離感に応じて使い分けてくださいね。

関連図書など

★ビジネスメールの書き方　実例あり

★日本語の語源にこの１冊

 - 言葉と漢字の選択 ませ