「オリガ・モリソヴナの反語法」を読んで芸術の力を思う
初出は2012年3月12日です。
今読んでも面白い本なのでリライトしてお送りします。
「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里 著
タイトル:オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
著者:米原真理
出版社:集英社
分類:日本の小説
ロシア語通訳者であり、エッセイストとしても有名だった米原万里さんが、
生涯に唯1冊だけ書かれた長編小説です。
著者は次の作品を考えないで、この1冊に全てを注ぎ込こんだといいます。
文字通りの力作なんですよ。
本当に面白い本は、時を経てもその価値が減ることはありません。
題名に若干のとっつきにくさがあります。
著者は他界されているので、新たに知る機会が少なくなってきています。
もったいないことなので改めて取り上げますね。
舞踊教師オリガ・モリソヴナの過去の謎解き物語でもあり、
ソ連時代、国家に翻弄される人々の歴史物語でもあります。
私が個人的に忘れられないのは流刑地での過酷な状況の場面。
重労働で身体はボロボロなのに、ひそやかに
ダンサーは踊り、女優は演技し、歌手は歌うことによって
心は救われ、生きのびる糧となったこと。
人間は、本当にパンのみで生きる存在ではないのだと思わされたシーンでした。
ストーリーの圧倒的な面白さで重い現実もぐいぐい読ませてくれます。
現代史を知らない現代人にオススメの本。
未読の方、ぜひ!。
読んで後悔しない本です。
ご紹介した本
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