「ツバキ文具店」-読書案内
本好きな人の中には、紙好き・文房具好きな人の割合も高いですね。
文章サポートライター梨理です。
本日ご紹介する本は小説です。
文房具好きな方、あるいは文章を上手に書きたい方にも
面白いと思いますよ。
「ツバキ文具店」 小川 糸 著
出版社:幻冬舎
分類:日本の小説
主人公は、文房具屋さんを営みつつ、家業の代筆業を継いだ私。
この物語の設定は、文字や文章を愛する人には、
ワクワクすることでしょうね。
難しい代筆依頼もあるのですが、完成された手紙は、
どれも成程と思わされる出来栄えのものばかりで、
この手紙だけでも、読み応えありますね。
ここでは、この物語の中で、
個人的に印象的だったシーンと言葉を。
個人的エッセンス
字には、それを書く人の人柄がそのまま出ると思い込んでいた。
けれど、それは間違いだった。
-中略ーどうしたって上手に字がかけない人も存在する。
字が汚いから心も穢れて居ると考えるのは、あまりに暴力的過ぎる。
タマノリ人生ー中略ー
地球をタマに見立て、
自分はその上を自由に歩く人生だとの意味を込めて使っていたのだろう。
血の繋がった先代には優しくできなかったのに、
たまたま隣り合って暮らすバーバラ婦人とは、
こんなに仲良くカマンベールチーズを食べている。-中略ー
そうやって縁のある者同士が、助け合って補いあっていれば、
たとえ血の繋がった家族とはうまくいかなくても、
誰かがどこかでサポートしてくれているのかもしれない。
変わっていないはずはないのだけど、
それは自分ではどうすることもできない、
その人その人の芯みたいなことを言っているかもしれない。
私自身、文章サポート業務で、言わば ”行間を読む” 仕事をしております。
実際に文字情報からも、色々読み取ってきたつもりでした。
それは、深読みをしすぎることもあったかも?
と我が身を振り返った場面でしたね。
後半になるにしたがって、
家業の全貌が見えてくるストーリーの面白さ。
主人公の私が、代書の依頼にピッタリの、文房具や文字を見立てる場面。
(それぞれの手書き文字も、出てきてます。)
鎌倉の四季のうつろい。
読む人によって、楽しめるポイントがいっぱいある小説です。
書誌データ
* ツバキ文具店
出版年:2016年4月21日
出版社:幻冬舎
分類:日本の小説
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