節目を上手に乗り越える知恵「人生十二相」辰巳 渚 著
今日ご紹介の本は、愛・LOVE・ブログ会のメンバーに教えていただいた本です。
副題には、おおらかに生きるための「捨てる!」哲学とあります。
著者は「捨てる!」技術 (宝島社新書)の本で有名な辰巳渚氏。
当時「捨てる」という言葉のチョイスが刺激的でした。
あれからもう20年ですか・・・。
長く読みつがれていて、今は新装・増補版も出ています。
著者の言う「捨てる」の真の意味とは?
この本では、人生を12のフラットなフェーズ(位相)に分けています。
前のフェーズでの不要なものを捨て、新しいフェーズに移っていく哲学です。
それでは早速中身に入っていきましょう。
「人生十二相」辰巳 渚 著
著者:辰巳渚
出版社: イースト・プレス
出版年:2013年7月
分類:人生論
個人的エッセンス 10
- しまう場が整っている状態でないことを悩むのではなく、モノが動いていない状態こそ悩んでみる。
- 捨てなければ活動が止まってしまうのが生命。
何を捨て何をのこすのか徹底的に選び抜く、客観的に判断する厳密さは、生命は必要としていないかもしれない。 - 人生の節目とは、「いままでのように思いどおりにいかない」感覚がシグナル。
節目を乗り越えるためには、具体的な作業に心を向ける。 - カラダの声を聞き、カラダがいまできること・したいことに寄り添っていくことをおぼえる。
後半生のフェーズこそ、カラダとの豊かな対話が可能。 - シニアの使命は死にゆく姿を見せること(by 医者 中村仁氏)
- 生きている自分の手で始末をつける。
- 11期は死に行く人がこの世に別れを告げ、のこされる人がお世話したり別れを言ったりできる大切な時期。
- 12期(最後のフェーズ)は、死んだ後ものこされた人の記憶に残る時間。
昔の人はこの期間を後生(ごしょう)と呼んだ。
全てはいい思い出になっていく。 - 家事の本質は変わらない・終わりがない・具体的な作業。
だからこそ大変化の緩衝材となる。 - 日本では家事が道を極めるための入口。
生きる場を整える具体的な作業は、心を整え、行き方を整える。
読み終えて
片付けと生命との共通点。
序章にある、福岡真一氏との対談も大変興味深かったです。
(福岡氏は「生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)」の本で有名な生物学者ですね。
個人的に講演会に参加したこともあり、感銘を受けました。)
この本の想定読者は成人のため、こども時代のフェーズはひとまとめになっています。
第5フェーズ(22歳頃~)大人の節目の時々で起こることと、それに対処する知恵が書かれています。
どの世代の方にもおすすめできますね。
個人的には人生後半部分に注目しました。
亡くなった後の片付けは非常につらいという話をよく見聞きします。
自分の後始末は自分では絶対にできません。
後始末される方に負担をかけないためにも、生きているうちに自分の手で。
それは何も悲しいことではないのです
片付けを終えた後、今必要なものだけに囲まれた清々しい毎日があるはず。
過ぎ去った時代、今まさに対処すること、将来迎える心の準備、一生を俯瞰する助けとなる本です。
関連データ
著者:辰巳渚
出版社: イースト・プレス
出版年:2013年7月
分類:人生論
2.著者の話題になった本の新装・増補版
著者:辰巳渚
出版社: 宝島新書
出版年:2005年12月
分類:人生論
3.対談者福岡真一氏の本 第29回(2007年)サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞
こちらも超オススメ!
著者:福岡真一
出版社: 講談社現代新書
出版年:2007年5月
分類:住居・家事調度
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