「give&take」と「win-win」と「贈与」について考える本

   

win-winで仕事をする。

シンプルに言ってしまえばどちらも損をしないような仕事作法のことですよね。

そこに「贈与」という概念を加えたら、世界はどう変わって見えるでしょうか。

 

今日ご紹介の本は第29回山本七平奨励賞受賞作です。

哲学者からみた資本主義経済とこれからの社会を、示唆する本と言えるかもれません。

それでは早速、中身を見ていきましょう。

「世界は贈与でできている」近内 悠太 

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

副題:資本主義の「すきま」を埋める倫理学
著者:近内 悠太

出版社: News Piks
出版年:2020年2月
分類:哲学 論文集

個人的エッセンス 10

  1. 未熟児で生まれてくる人間は他者からの贈与と他者への贈与を前提としている
  2. 何かを贈られた瞬間に、世界にたったひとつしかない特別な存在へと変貌する
  3. 贈与を受け取ってくれるということは、相手が関係性(つながり)を持つことを受け入れてくれたことを意味する
  4. 贈与に気づき、負い目を引き受け、返礼として贈与を繋ぐ
  5. 交換の論理(ギブ&テイク・ウィン・ウィン)は、交換するものを持たない時に繋がりを解消するということ
  6. 誰にも頼らず頼りにされない状態が「自由」
  7. サンタクロースの機能は純粋贈与にある
  8. 不安定な中でつりあっている幸運な日常に寄与する人々がいたと気づく
  9. 美しいものは大切なものをシェアしたくなるのは親愛のしるし
  10. 世界の壊れやすさ、文明の偶然性に気づくために歴史を学ぶ

読み終えて

この本は20007年(令和2年)2月に発行されたものです。

奇しくも3月以降の社会を彷彿とさせる小説の話も出てきます。

贈与の与える側と受け取り側の時間軸の話が興味深かったです。

手に入れた知識が先人からの贈与であると気づいた人が、次の贈与者の使命を果たしていくのですね。

今を生きるあなたへ。

関連書籍

1.本日ご紹介した本

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

2.関連本

本の中に言及されていた本です。
著者はマッキンゼー&カンパニーからベンチャー投資家の経歴を持ち、
現在は多世代型シェアハウスとカフェを経営されています。
資本主義社会のど真ん中にいた人の現在地とは?

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

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