「死に逝く人は何を想うのか」 佐藤 由美子 著
人の死が身近ではない時代に生きています。
たいていの死は日常にはなく、覆い隠されています。
ある意味ありがたいことですが、実際にその場に立つと戸惑うばかりです。
人生の一大事、危機的状況。
ホスピス音楽療法士の筆者は、看取りという言葉には介護する側の視点があると言います。
本日ご紹介の本は、死に逝く人のそばにいてできること、お見送りの本です。
「死に逝く人は何を想うのか」 佐藤 由美子 著
タイトル:死に逝く人は何を想うのか 遺される家族にできること (ポプラ新書)
著者:佐藤 由美子
出版社: ポプラ社
出版年:2017年1月
分類:医学・薬学
個人的エッセンス10
- 愛情と尊敬を持って、理解しようと努める。
- 感謝や謝罪、承認の気持ちをシンプルに伝える。
- たとえ体は弱っていても本質的な部分は弱っていない。
- 許すとは相手の行為を無条件に肯定することではなく、
過去に起こったことは変えられないと受けいれること。
そうすることで怒りや後悔のエネルギーから自由になる。 - 大切な人にいつか言おうとしていることばあればそれは今。
末期の病気であってもなくてもそれは変わらない。 - 死に逝く人のスピリチュアル(精神的)な力。
穏やかな死を迎える条件が整うまで待っている。
もっとも顕著なのは、会いたい人が来るまで待つ。 - 心配しなくてもいいよと家族が言った直後に亡くなる。
お迎え現象は人類共通。 - 大切な人が病気になったとき、介護する人とされる人の関係に移行。
音楽にはふつうの生活を取り戻す力がある。
家族のリラックスにもかかせない。 - 大切な人を失っても、地球は周り続けるし、人生も続く。
グリーフ(悲嘆)はつらい道のりだが、どんなに長い夜も明けることを知っていてほしい。 - 後悔はグリーフにおいて避けられないもの。避けては通れない過程。
読み終えて
人生の一大事はいつ来るかわかりません。
その体験も千差万別。
どう寄り添えばいいのかと悩み、遠くから見守るばかりでした。
もっとできることはなかったのかと思います。
他人の心はどんなに近くでも暗い森(dark forest)のようなもの
(by ウィラ・ギャザー アメリカの作家の言葉より)
が引用されています。
実話の重さがぎっしりの詰まった新書本です。
関連データ
タイトル:死に逝く人は何を想うのか 遺される家族にできること (ポプラ新書)
著者:佐藤 由美子
出版社: ポプラ社
出版年:2017年1月
分類:医学・薬学
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