「旅をする木」 星野 道夫 著

   

図書室のある家に住むのが夢でした。

文章サポートライター梨理です。

愛読書コレクションはお気に入りの本棚に並べていました。

その本棚を手放し小さな本棚ひとつになって7年が経ちます。

古い本は、順番を気長に待つシンプルライフになりました。

この本はどなたのお薦めだったのか忘れる位になって、

ようやく巡ってきた本だったのです。

文庫本も出ているのですね。

心に染み入る繰り返し読みたい本でした。

「旅をする木」 星野 道夫 著

タイトル:旅をする木 (文春文庫)

著者:星野 道夫 

出版社: 文芸春秋

出版年:1995年8月

分類: 紀行

個人的エッセンス10

  1. 私たちは速く歩き過ぎてしまい、心を置き去りにしてしまった。心が追いつくまでここで待っている(シェルパの言葉より)
  2. 無数の人々とすれ違いながら、私たちは出会うことがない。
    その根源的な悲しみは、言いかえれば、人と人が出会う限りない不思議さに通じている。
  3. かけがえのない者の死は、多くの場合、残されたものにあるパワーを与えていく。
  4. 人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることがきっとある。
  5. 愛する人に自分の見た自然の美しさを伝えるには?
    それを見て感動して自分が変わっていくこと。(友人の言葉より)
  6. 自分が暮らしているここだけが世界ではない。
    さまざまな人々が、それそれの価値観を持ち、遠い異国で自分と同じ一生を生きている。
  7. 生まれもった流れの中で生きていく。みんな驚くほど早い年齢でその流れを捨て、岸にたどり着こうとしてしてしまう。(友人の言葉より)
  8. 深く老いていくということは、どれだけ多くの人生の岐路に立ち、さまざまな悲しみをいかに大切に持ち続けてきたのか。
  9. ”it made may day”(それだけで1日が満たされる)
  10. 結果が思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。
    最後に意味を持つのは結果ではなく、過ごしてしまったかげがえのないその時間。

読み終えて

高校生だった著者の海外への旅、アラスカとの出会い、再度アラスカへ、の話は、

若い世代の方に読んでいただきたいと思いました。

真っ直ぐな想い、まさに著者は流れに乗ってアラスカへ行ったのだと感じられます。

 

この本は紀行に分類されています。

確かに、写真家の見たアラスカの自然描写は、目前で見ているような感覚になります。

けれども、1995年に出版されたこの本が今も読み継がれていることは、

それだけではないでしょう。

著者の文章の中に生きていく悲しみを感じるからかもしれません。

それは自然の摂理でもあるのです。

関連データ

「旅をする木」 星野 道夫 著

タイトル:旅をする木 (文春文庫)

著者:星野 道夫 

出版社: 文芸春秋

出版年:1995年8月

分類: 紀行

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